米国市場でモメンタム投資の崩壊が進行。S&P500モメンタム指数の下落とともに、半導体相場の息切れやモデルナの急騰、過度なレバレッジによる影響が公開された。
米国株式市場では主要指数の下落が続く中、モメンタム投資を軸とする資金の集中が崩れつつある。8月は表面上は市場全体が最高値圏を維持していたものの、実際にはモメンタム投資の崩壊が進行していたことが読み取れる。これにより、勝ち組銘柄へ資金が偏る動きが弱まりつつある。個別銘柄の動向を見ても、AI関連の過熱感を背景にした局所的な動きが目立っている。
要因1として半導体相場の息切れが挙げられる。前年上半期には半導体銘柄がモメンタム指数の上位を占めていたが、3Qには構成銘柄の下位に沈み、AI関連銘柄への過度な投資への警戒感が高まった。7月をピークに株価の下落が顕著となり、バリュエーションの高さと設備投資の負担が重荷となった。
要因2としてバイオテック銘柄の反転が挙げられる。モデルナがメラノーマワクチンの臨床成果を発表して急騰し、空売り筋の損失を拡大させる局面が生まれた。モデルナの急騰は、空売り主体の戦略を採用する投資家にとって大きな影響を及ぼし、モメンタム投資の勢いを削ぐ要因となった。まだ追随する銘柄を巻き込む動きが見られる。
要因3としてレバレッジの影響が大きく表れている。資金を借り入れてポジションを拡大するロング・ショート戦略の脆弱性が露呈し、AIトレードの停滞とともに損失が拡大。融資銀行からの追加証拠金の要求など、信用取引の圧力が高まる局面となった。
今後の見通しとしては、ディープシークのショック後の持ち直しの例があることから、完全な見切りは時期尚早との声もある。出遅れ銘柄の急反発が再びモメンタム投資を動かす可能性はあるが、勝ち組銘柄への集中と脆弱性の露呈が引き続き市場の注目点になる。