2025年度、日本企業の経常利益は過去最高を更新した一方、付加価値のうち人件費の比率である労働分配率は5年連続で低下し63.0%に。四半期ベースでも設備投資と利益が拡大した。
2025年度の法人企業統計によると、金融保険業を除く全産業の経常利益は前年度比8.8%増の124兆8313億円となり、比較可能な1960年度以降で最高値を5年連続で更新した。一方、売上高は1.6%増の1720兆2560億円、設備投資は4.3%増の57兆8999億円で、いずれも過去最高だった。人件費は2.6%増の235兆2869億円に達したが、销售高の伸びにもかかわらず労働分配率は63.0%に低下し、前年度の64.2%から1.2ポイント低下した。
業種別では情報通信機械や電気機械の増益が目立ち、AIやデータセンター需要が押し上げ要因となった。飲食などのサービス業や建設業も利益を伸ばし、食料品は価格改定の効果で売上を拡大。設備投資では化学や生産用機械が目立ち、半導体関連や医薬品の生産能力拡充投資が全体を押し上げ、不動産業や電気業でも伸びが顕著だった。
四半期ベースでも投資は拡大。2026年4〜6月期の設備投資は前年同期比1.6%増の13兆250億円、売上高は5.9%増の393兆9377億円、経常利益は24.6%増の44兆6668億円と、四半期ベースでも利益の伸びが際立つ。業種別では製造業の設備投資が前年同期比3.7%減だったのに対し、非製造業は4.7%増と対照的だった。
GDPの2次速報作成の基礎データとして設備投資額が注目され、政府は8日に4~6月期のGDP2次速報を公表予定。労働分配率の低下傾向が続く限り、企業業績の好調さが実感なき景気回復にとどまるリスクがくすぶると指摘されている。