TOBが起きる会社の共通点を整理する本書の要点を、親子上場と非公開化の仕組みから読み解く。公開買付けの基本構造と買い手の立場による論点を整理する。
TOBを理解する第一歩は、会社が買われるという出来事を株式の取引へ分解することだ。買い手が買付価格や期間を公表し、売却希望株主が応募する市場外取引として成立する仕組みが中心に説明される。市場売買とTOBの手続きや決済時期の違いにも触れられている。
TOBと非公開化は同義ではなく、買い手の意図次第で上場を維持する選択肢もあり得る。親会社が上場子会社を完全子会社化する場合や、第三者が買収する場合、経営陣が参加するMBOなど、買い手の立場によって重視すべき問題が異なる点が整理されている。
親子上場の立場差は、少数株主の利益保護や情報格差の問題と結びつく。グループ全体の再編が合理的かどうかを判断する際には、買収価格の裏付けや配分の行き先、現金の使い道などを個別に検討する必要がある。
読者に向けた進め方として、確認できた事実と自分の解釈・未確認点を混ぜず、資料の読み方を実践的に記録する方法が提案される。TOBの成立可能性・成立後の実際・株式投資としての利益の三点を分けて考える姿勢が強調される。