イタリアの宇宙産業で統合の動きが加速し、中小企業の資本力強化と大手による大型契約獲得が目立つ。買収を通じた垂直統合と資金調達の拡大が波及している。
イタリアの宇宙産業では、中小企業が大半を占める現状から脱却するべく、統合の必要性が強く意識されている。防衛分野の顧客や政府機関は、複雑なプログラムを実行できる大手サプライヤーを優先する傾向があり、資本へのアクセス不足が成長の障壁として指摘されている。
大手企業の優位性を背景に、規模の拡大と財務的安定性を確保する動きが活発化。オフィチーナ・ステラーレはグローバル・エアロスペース・テクノロジーズ・グループと統合し、プロフォーマベースで1億9200万ユーロの受注残を持つ航空宇宙・防衛プラットフォームを設立。さらに電動モーター製造のマーベルを買収した。
ディー・オービットは衛星地球観測企業プラネテックを買収し資金調達を進め、中長期的な買収戦略を推進。契約面では、レオナルドへ光通信端末の供給契約が成立し、イタリア宇宙機関から地球観測プログラムの契約も受注した。欧州全体で資本調達と統合の機運が高まっている。
政府系資金の動きも活発化。7月にはインテーザ・サンパオロ、欧州投資銀行、欧州宇宙機関が中小企業を対象に最大3億ユーロの融資プログラムを開始。2028年までにイタリアの航空宇宙産業が投資とプログラム資金として総額78億ユーロを受け取る見通しで、35億ユーロはESAのプログラム拠出に充てられる見込みである。