コロワイドによる大戸屋の買収後、売上高と営業利益が大きく改善している。買収の背景と現在の業績、そして海外展開を軸とした今後の成長の可能性を整理する。
コロワイドが2020年に大戸屋ホールディングスへTOBを実施して子会社化した。当時は創業家と経営陣の対立や、店内手作りの価値が失われるのではないかと懸念されていたが、2026年3月期の決算では売上高が370億1600万円、営業利益が21億4000万円となり、利益の伸びが売上を上回っている。
買収前の2019年3月期には、売上高が前期比で2.0%減、営業利益が34.7%減と成長に陰りが見えた一方で、現在はコロワイド傘下での合理化と現場の再建が一定の成果を示していることが示唆される。ただし、コロナ禍や物価上昇などを踏まえ、買収効果を盲信せず検証を続ける姿勢が求められる。
再建の柱として掲げられた二つの取り組みは、手作りの店内調理とコロワイドの合理化ノウハウの両立と、現場の従業員との対話を重ねる「人を大切にする経営」だと説明されている。これにより、店舗運営を効率化しつつ、顧客に価値を感じさせる部分を残すことを狙っている。
第3の創業として海外展開を重視する方針が示され、2026年6月に社長に就任した三森智仁氏は日本の定食文化を Teishoku として世界へ発信する考えを示している。バンコクでの来訪時に大戸屋の定食が海外でも根強い需要を持つ光景を思い出し、海外市場での商品選択と安定した運営の両立が今後の焦点になる。