中小企業の買収をきっかけにイタリアの富裕層が生まれ、PEによる取引が急増している。2013〜2025年の取引は約3500件、総額は約3620億ユーロに達すると推計され、銀行間で超富裕層の人材獲得競争が激化している。
英フィナンシャル・タイムズが、イタリアの銀行界で超富裕層ビジネスをめぐる人材争奪戦を伝え、背景には過去十数年のプライベートエクイティによる中小企業買収の急増があると整理している。ピクテとミラノ工科大学経営大学院の推計では、2013年〜2025年に約3500件、総額約3620億ユーロの取引が成立したとされ、これが富裕層の形成を後押ししたとみられる。
銀行は資産の1〜3%に加え将来収益の半分を前払いする「タイド・エージェント契約」を武器として活用し、優秀な人材を奪い合う競争が熾烈化している。ドラギECB総裁の発言がこの状況の端緒とされ、関係者は経営者と信頼関係をどう結ぶかが銀行の競争力を左右すると指摘している。
編集部は、経営者の富がどの程度現金化されるかが金融の信頼につながるとし、PEによる買収が隠れた宝石と呼ばれる優良中小企業の現金化を進め、個人の富が生まれる構造を説明している。日本の地方企業にも同様の流動化イベントが波及する可能性があるとの指摘がある。