油脂工業会館は9月14日、第1回油脂産業優秀論文受賞報告会と令和7年度研究会活動報告会を同時開催し、技術発表と事業報告を分離してオンライン配信も実施した。
冒頭の挨拶で同会は創設の趣旨を説明し、業界課題に対する自発的な解決策の提案を重視する方針を示した。論文募集は持続可能な社会と油脂産業の未来、油脂産業と他産業の連携イノベーションの二テーマで行われ、優秀賞と最優秀賞を選出した。
優秀賞には花王の野中伸洋氏・入江裕氏の「シロアリがつなぐアフリカ油脂自給と循環型社会」、花王の難波綾氏の「油脂産業とICT連携で実現するデング熱・マラリア低減プラットフォーム」が選ばれ、最優秀賞はミヨシ油脂の真鍋宣隆氏の「ポンガミア植栽と次世代の精製・収益化システムによる環境親和型油脂産業の提案」とされた。
研究会報告ではDXによるサプライチェーン変革をテーマに1年間の研究成果を報告書にまとめ、地政学リスクや労働力不足、2024年問題に伴う情報断絶や標準化不足といった課題が指摘された。
今後はSCMとECMの分断を埋める協調型DXの必要性が示され、データ定義や共通フォーマット、接続ルールなどの非競争領域を明確化して、可視化・言語化から着手する方針が示された。さらに業界団体を実務検証の場として位置づけ、2040年に向けた産業全体のレジリエンス強化を訴えた。