EV部品の調達が中国依存を背景に不確実性を増しており、輸出管理強化が納期遅延の要因として広がっている。日本企業は在庫と代替技術で対処を試みるが長期化の懸念が高まっている。
EVの心臓部であるネオジム磁石の調達を巡り、中国によるレアアースの輸出管理強化が上流の資源段階から下流の部品加工・組立段階へ波及し、納期の不透明さが自動車メーカーの生産計画を難しくしている。日本は2010年の規制を機に在庫を積み増し、代替技術開発を進めてきたが、設備やコストといった物理的制約が依然のしかかる。
実例としてフォードは2025年5月に米シカゴ工場のSUV生産を1週間停止する事態となり、欧州でも欧州向け承認のうち実際に許可が下りた割合は約25%にとどまり、日産やスズキなど日本企業にも影響が及んだ。ネオジム磁石や重希土類の用途はモーターだけでなくABSセンサーや車載カメラなど広範囲にわたる。
中国依存の本質は採掘後の分離・精製や磁石加工など中間工程が高く集積している点にあり、世界の磁石生産の80%前後が中国に集中しているとされる。ネオジム磁石の自動車向け生産比率は日本が約10%にとどまる一方、中国は約70%の採掘と約90%の中間加工を支配している。
長期的な対応として国内在庫の活用と代替生産の拡大は限界があるとの見方がある。脱レアアースに向けた技術開発ではミツバの鉄系磁石採用、日産のレアアース削減、Astemoの鉄系磁石、ヴァレオの重希土類不使用プロトタイプなどが挙げられ、2030年ごろの実用化を目指す動きが進む。