日航とANAホールディングスが上級会員向けのサービス強化に乗り出し、国内線のラウンジや入会条件の見直しを進めている。燃料費・整備費の高騰で国内線の収益悪化が続く中、優良顧客の囲い込みを通じた収益力向上が狙われている。
日航は羽田空港第1ターミナルの国内線ラウンジを刷新した。ファーストクラスラウンジの座席を4割増やし、オンライン会議用の個室や視線を遮る高いソファを設け、多様なニーズに応えるとされる。日航は新規顧客獲得のため、来年からラウンジ利用の加入要件の一部を緩和する予定だ。
ANAは「ANAスーパーフライヤーズカード」への加入や一定回数以上の搭乗で上級会員になる条件を設け、入会後は年会費を支払えば永続的にラウンジを利用できる仕組みを取っている。会員数はコロナ前の1.5倍に増え、混雑によるサービス低下への懸念が生じている。
4月には年300万円未満の決済額の会員は国内線ラウンジ入室を制限する案を公表したが、反発を受け見直し、混雑が空いている場合は従来どおり利用できるよう見直した。将来的には事前予約制の導入が検討されている。
背景には本業の航空事業の採算悪化があり、燃料費・整備費の上昇に加え中東情勢の影響で費用が増大している。一方、金融・生活関連などの非航空事業は堅調で、両社は幅広い事業で収益の安定化を図る方針を示している。