海外事業拡大を目指すニップンが、グローバル人財育成プロジェクトを推進。マレーシアでの修羅場型研修や全社横断の人材要件定義など、組織全体を巻き込む施策の全体像が紹介されている。
国内市場の縮小を背景に、ニップンは2030年度の海外売上高を600億円以上とする目標を掲げ、海外事業本部と人事・労務部が連携してグローバル人財育成プロジェクトを発足させた。これにより、東南アジア・中国・北米の既存市場を強化するとともに米国やベトナムでの事業拡大も視野に入れる。プロジェクトの開始背景として、海外で事業をけん引できる人材の確保が挙がる。
要件定義として、グローバル人財の定義と要件を明確化するため、約60名へのインタビューとアンケートを実施。最も重要な要素として「パッション(情熱)」が浮かび上がり、次いで「リーダーシップ」「異文化受容力」そして「胆力・レジリエンス」が挙げられた。スキル面では「伝える意欲を重視したコミュニケーション力」と「課題解決力」が要件として挙げられた。
マレーシアでの取り組みとして、若手・中堅を対象にした「グローバルチャレンジプログラム」を開始。入社2年目から10年目までの約10名を選抜し、国内研修後にマレーシアで1週間の現地活動を行い、帰国後に報告・プレゼンを実施するという流れで、現地課題へ自ら仮説立案・検証する修羅場体験を提供している。現地の学生と混成チームを組み、英語での実践課題解決を求められる。
赴任前研修や組織づくりにも触れられており、赴任前には異文化理解やマネジメントの基礎を徹底インプット。赴任者に対しては海外拠点長としての責任の拡大に備える。人事制度の改革としてキャリアパスの複線化を進め、マネジメント志向とエキスパート志向の両方を評価する仕組みを検討している。今後は中国拠点滞在や欧州留学など、複数の海外経験機会を拡大していく方針。