マブチモーターはベトナムのドンナイ市とダナン市に生産拠点を置き、ASEAN域内の中核拠点として現地化を進めている。中国・ベトナム・欧州の3拠点体制を活かし、部材の内製化と多元的な調達・供給網を強化している。
世界シェア上位の車載用小型モーターを手掛けるマブチモーターは、日本・中国・ASEAN・米州・欧州の5極体制で事業を展開しており、ASEAN拠点としてベトナムのドンナイ市とダナン市を主力生産拠点と位置づけ、ドンナイは小型モーターの生産・開発、ダナンは中型モーターの製造・営業を担っている。近年はライフ・インダストリー分野の拡大にも取り組む。
ベトナム拠点の強みは、現地主導の運営と実力主義的人事評価により現地化が進んでいる点だ。現地社員が代表を務め、部品の内製化や生産管理の高度化が進み、技術者の定着率が改善している。日本側の派遣だけでなく、現地人材の育成・登用が進んでいる。
生産移管の背景には、中国のコスト高と製造能力増強ニーズに対応するための複線化がある。中国・ベトナム・欧州に生産を分散させ、ベトナム拠点は完成品の輸出拠点かつグループ各社への部材供給拠点としての役割も担う。主要部材の一部をベトナムで内製化している。
調達面では地産地消を軸にASEAN内の調達先を開拓する一方、世界情勢の影響で複数調達先の確保が必要と認識。中東情勢や原油価格の変動は樹脂原料価格に影響を及ぼしており、樹脂部品を含む原材料・部品コストの安定的確保を課題として捉える。今後は3つのM(Machinery・Medical・Mobility)を軸に高付加価値製品の拡大を目指す。
現地拠点の歴史として、マレーシア拠点は1990年代に進出後、2011年に閉鎖。以後ASEANの生産はベトナムに集約され、ベトナム拠点は1996年ドンナイ、2005年ダナン設立。