7月の日本銀行企業物価指数で、輸入物価は円ベースが前年同月比で29.1%上昇、契約通貨ベースは17.7%上昇と公表され、両系列の差は11.4ポイントとなった。差の意味や各社の開示との関係を読み解く内容である。
日本銀行が公表した7月の企業物価指数によると、輸入物価の円ベースは前年同月比で+29.1%、契約通貨ベースは+17.7%となり、前月比は円ベース+1.3%、契約通貨ベース+0.3%だった。これら二つの数字の差は11.4ポイントとなり、ドル・円の動向は前月比+1.1%の円安方向だった。
著者は、円ベースと契約通貨ベースの差が「為替換算の影響」を含むため、単純に企業の原価上昇を示すものではないと指摘する。指数は複数の品目・通貨・時点を加重平均しており、個社の仕入れ額や粗利、為替差益・在庫の動きとは切り離して考えるべきだとしている。
差を理解するうえでの六つの関門として、購買品目の分類、契約通貨の組成、価格決定時期、原価化時期、販売価格への転嫁の可否と時期、数量の動きを挙げる。これらを順に確認することで、指数の数字をそのまま決算へ結びつけない必要性が説明される。
関連5社の開示を並べた分析では、関西電力は燃料費と料金制度の時間差、日清製粉は政府売渡価格と製品適用日の差、UACJは地金連動と在庫の評価、ENEOSは原油市況と在庫影響、住友化学はナフサと製品市況をセグメント別に分解して読むべきと整理される。