米ドルに対する円は160円が再び視野に入る水準まで下落しており、日銀が利上げを検討しているとの政府・日銀関係者の報道を受け、為替相場は依然として水準をめぐる動きが続いている。
NY市場では円が対ドルで159円台半ばで推移しており、過去には160円近辺まで円安が進むと再び下限が警戒されてきた。政府が日米協調の介入効果維持の観点から早期の利上げを支持しており、日銀は9月か10月の金融政策決定会合での政策金利引き上げを視野に入れている。複数の関係者の話によると、円安進行による物価上昇を警戒する日銀と、円買い介入の効果を強めたい政府の思惑が一致したという。
市場では日銀の利上げが織り込まれていたため、今回の報道が円の水準へ大きな影響を与えたとは見られていない。日米の金利差と日本の巨額の債務負担を背景に、ここ数日円は下落傾向にある。10年債利回りは小幅に上昇して2.87%を付け、30年ぶり高水準からの離れが小さい状態が続く。
みずほ銀行の中島将行シニアストラテジストは「市場の関心は9月利上げの有無から、その後の引き締めペースに移った」と述べた。投機筋は円の売り持ちを縮小しており、8月4日までの週のCFTCデータによると、協調介入で円相場が安定したことを受けヘッジファンドの円売り持ちが半減した。
政府関係者は一般論として金融政策の具体手法は日銀に委ねられるべきだとコメントした。日米協調介入の効果維持と円買い介入の強化を目指す動きが継続している。