スイスは国際的なカーボン・オフセットに依存する政策を進めてきたが、2030年目標の達成率は0.36%にとどまり、ITMOの承認件数も限られている。海外プロジェクトの排出削減を自国削減に充てる試みの現状と課題を伝える。
スイスは過去十数年間、国際的なカーボン・オフセット事業に取り組んできたが、その効果には疑問の声が高まっている。二国間協定に基づき、国外の排出削減を国内の目標へ組み入れる手法を進めてきたが、2030年の削減目標達成に向けての実際の貢献は低い。スイスが想定していた削減量3400万トンに対し、現在までの達成は0.36%にとどまる。
政府はこの枠組みを通じたITMOs(国際的に移転される緩和成果)を承認した件数が6件、審査中が28件とされ、今後の進展が注目される。一方、国内外での排出削減の質に関する懐疑も指摘され、特にバンコクの電動バス導入プロジェクトのクレジットは質が伴っていないとの評価がある。
ネイチャー誌の研究では京都議定書下のCDMの実績も振り返られ、同種のクレジットの達成率は16%未満だった。スイスが購入しているITMOはこの文脈で「質が高いとは言えない」と指摘され、検証と透明性の強化が求められている。さらに、南同盟とファステンアクツィオンは、仮に支援がなくてもバンコクのバスは2030年までに電動化できた可能性があるとの見解を示すが、KliKは憶測を否定している。