M&A業界で約300億円規模の資金が流出する事例が続出。船井電機の破綻に関与したとされるミュゼプラチナム買収の一連の動きが詳述されている。
本書で取り上げられるのは、M&Aを巡る買収劇と資金の動きについてだ。船井電機への買収を皮切りに、上田智一が社長に就任して以降の資金流出が急増したとされる点が中心となる。
第一章で紹介される船井電機の経緯では、約210億円で買収した秀和システムの後、上田が2022年6月に船井電機の社長となったことが記される。その後、2年数カ月で約300億円もの資金が流出し、破綻に至ったとされる。
破綻の引き金とされるのがミュゼプラチナムの買収だ。上田は2023年4月、同社を33億円で買収したが、ミュゼは資金不足を船井電機へ要請。船井電機は約30億円を送金したとされる。
この資金供給が大きな負担となり、2024年3月に上田はミュゼプラチナムを100万円で香港系企業の日本法人に売却。これが船井電機の倒産から約7カ月後の出来事として記される。
記事はまた、M&A仲介会社の報酬体系を通じて“稼ぎたい人材”が集まる業界の実情にも触れている。