東北大学が分析計測拠点CICMIを開設し、島津製作所と計15億円を5年間共同研究に投じる。ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏が母校の教授として就任し、精度1000倍を目指す質量分析技術の開発と見えないものを見える化する技術の社会実装を進める。
東北大学は10月1日、分析計測技術の高度化を目的とする拠点CICMIを開設し、島津製作所が参画して研究成果の社会実装を進める計画を明らかにした。五年間の共同研究で総額は約15億円にのぼる。
最大の目玉は、現在の「1000倍」級の精度を誇る質量分析技術の開発と、田中耕一氏が母校の国際卓越教授として就任する点だ。田中氏は講義や若手の研究開発、ノウハウの助言を通じて次世代を育てる。
田中氏は病気の超早期発見やグリーン領域に革命を起こす「見えないものを見る」技術の限界突破に挑む。計測を軸に日本が世界の頂点に立つことを目指すとともに、経済安全保障の強化にも寄与する可能性がある。
政府は7月に「戦略17分野」を掲げ、先端技術の基盤としての計測の重要性を強調しており、CICMIはソフトレーザー脱離イオン化法やMEMSの開発を目指す。超小型センサーを活用した新産業創出を狙うという背景がある。