ミラノ・スカラ座オーケストラの107人を対象にした研究から、長時間の音響環境にさらされる音楽家の聴力障害の有無が明らかになった。平均勤続は27.1年で、23.3%に聴力障害所見が認められた。
オーケストラピットのような音響条件の厳しい職場で音楽家の耳がどう影響を受けているかを、ミラノ・スカラ座とミラノ大学が調べた。対象はスカラ座のオーケストラ団員107人である。
調査結果では、団員の平均勤続年数は27.1年で、23.3%に騒音による聴力障害の所見が認められた。これは一般的な工場労働者の予測と比べて、聴力障害の割合が高いとされる数字である。
約11年前の検査結果と比較できた80人については、聴力の低下は加齢による変化と同程度だったと報じられている。耳への影響の原因は、音の大きさだけでなく原因の特定はまだ不明だという。
ヴァイオリニストは左耳のほうが悪い傾向があった。左耳は楽器の近接音の影響を受けやすいとされ、耳の保護や職場環境の改善が今後の課題として示唆されている。