技術承継機構が2026年上期に売上高と経常利益を大幅に伸ばす一方、日立が台湾向け新幹線N700STの量産段階へ。加えてエヌビディアがオープンAIの巨大データセンターへの資金支援を検討している。これらの動きが中小製造業の事業承継と長期投資の在り方に影響を与える可能性がある。
技術承継機構は2026年1〜6月期に売上高を前年同期比2.4倍の134億8600万円、経常利益を4倍の20億8600万円に拡大した。傘下に加わったミヤサカ工業や多賀製作所を含む7グループが寄与し、買収先の新規連結が業績を押し上げる形となった。通期予想は据え置かれ、株価は時間外取引で上昇した。
同社は製造業の高収益企業を原則100%で譲り受け、長期保有を前提とした連続買収を柱としている。後継者難の中小メーカーの承継を支援する役割を強化しており、生産管理や採用・営業の共通手順を整え、現金を次の買収に回す運用を続ける。2026年には堀越精機、大崎電業社、三晃技研工業の3社を取得し、事業領域を広げている。
日立製作所は7月末に台湾向け新型車両N700STの第1編成12両を出荷した。東芝などの連合が約1240億円で受注したこの車両は、JR東海の最新型N700Sを台湾仕様に改めたもので、2028年末までに全編成の営業運転を目指す。現場ではAR端末を使いボルト締結力を表示・記録する「フィジカルAI」を導入し、熟練者の作業データを次の作業指示に再利用する仕組みを実用化している。
量産期にはSiCパワー半導体とSCiBを用いた自走バッテリーを搭載した12編成144両の供給体制を維持する計画で、日立の車両データ基盤「HMAX」を活用した保守・運用の連携も進む見込みだ。