米国のCPIが鈍化しつつある一方、日本市場は史上最高値のTOPIXと高値圏の日経平均を維持する。AI投資を巡る資本の奪い合いが金利上昇リスクを高め、今後の市場動向には注意が必要だ。
日経系メディアの報告によれば、東京市場はTOPIXが史上最高値を更新し、日経平均も高値圏を維持している。外部環境として7月の米CPI上昇率は前年比3.4%と鈍化、コア指数も落ち着いており、原油価格上昇によるインフレ再燃の懸念は小さくなっているとされる。一方、中国が原油輸入を抑制したとの分析が示され、新たな「OPEC的存在」としての中国の影響が指摘されている。なお、原油市場は依然として注意深く見られている。
米国の個人消費には陰りが見える一方、人工知能(AI)やデータセンターを中心とした設備投資は年率10%近い増加を続けている。消費の減速と旺盛な投資が同居する形で、景気全体は「熱すぎず冷たすぎず」という適温の局面が続くとの見方が示されている。FRBは現状を維持する可能性が高く、株式市場が上昇しやすい環境とされる。
日本企業の業績は堅調で、東証プライム上場企業の2027年3月期純利益は前期比14%増、過去最高を更新する見通しだ。第1四半期時点で全体の約2割の企業が通期純利益予想を上方修正しており、売上高純利益率は7.2%へと上昇する見込みだ。AI・半導体関連の投資と円安が追い風となり、デフレ脱却と好況インフレが相まって、企業の値上げが通りやすくなっているという。
リスクとして挙げられるのは金利上昇だ。日本の長期金利は30年ぶりに2.9%台、米国の30年債利回りも高水準に達している。中東情勢や財政の重荷に加え、AI関連の巨額投資による資本の奪い合いが金利を押し上げる要因とされる。マネックス証券の創業者の指摘やNVIDIAなどの事例から、資金需給の逼迫が全体の市場リスクを高めているとの見方が示され、長期的には日本株の「安全資産」としての評価が高まる可能性が指摘されている。