起立性頻脈症候群(POTS)やコロナ後遺症が自己免疫疾患のように見える背景と、それを裏付ける事例と研究の要点を整理する。
2002年、サンフランシスコの医師サラ・シェーファーはめまい・頭痛・極度の疲労などの症状に長期間悩まされ、最終的に自律神経系の障害であるPOTSと診断された。彼女はその後、シェーグレン病との診断を受け、POTSの症状が自己免疫疾患の初期兆候だったことが分かったという経緯が紹介されている。
専門家は自律神経障害が自己免疫疾患の要素となり得るとの認識を深めており、POTSを持つ人は自己免疫疾患と診断される可能性が高いことが研究で示されている。具体的には、POTS患者の5人に1人が別の自己免疫疾患と関連する可能性があるとの結果が挙げられている。さらに、自己免疫マーカーが陽性になる傾向も見られるという。
一方で自己免疫疾患のある人がPOTSなどの自律神経障害を発症する確率が高いことも研究で示唆されており、コロナ後遺症やME/CFSといった類似疾患にもこの関連性が見られる。POTSや関連疾患は感染や妊娠、外傷など免疫系への負荷が引き金になる感染関連慢性疾患として位置づけられている。