インドが現地生産の拡大局面に入り、日本企業も南西部や南部を中心に新工場建設や買収を進めている。投資額や開始時期は地域ごとに異なり、国内市場拡大を背景に輸出基盤の強化を目指す動きが鮮明だ。
インドにおける現地生産の拡大が加速しており、日本の自動車部品サプライヤーや包装材料メーカーが現地工場を新設・拡張・買収している。具体例として、豊田合成はマハラシュトラ州で約78,400平方メートルの敷地に約29,200平方メートルの新工場を計画、投資額は約57億5,800万ルピーで、2029年初頭の生産開始・2030年までに約570人の雇用創出を見込む。トヨタ紡織はマハラシュトラ州で新工場建設を進め、約40億ルピーの投資で2027年完成を目指す。
一方、NITTANはアンドラプラデーシュ州で増築を行い、生産能力を月間100万個から200万個へ倍増。隣接地での新工場計画もあり、2030年までの売上高3倍と生産能力拡大を目指す。ボール社はウッタル・プラデーシュ州で飲料缶工場を計画し、2029年稼働を予定。衛生陶器の買収案例としてジャイプール・キャピタルによるニームラナの設備買収が挙げられ、既存ブランド下での生産継続と拡大を図る。
国内市場の拡大と輸出・地域サプライチェーンの強化が合わさり、各州・工業団地の競争が活性化している。自治体間の競争はコストだけでなく、エネルギー、水供給、物流、技能訓練といったインフラ要件の整備にも影響する。投資の実効性は、現地調達の深度化とサプライヤー育成の進展にかかっている。