日本のワクチン市場は2025年時点で44.9億米ドル、2035年には99.7億米ドルへ拡大するとの予測が示され、mRNA・sa-mRNA技術や高齢者向け需要、感染症対策の強化が成長を支える主な要因として挙げられています。
日本のワクチン市場は、2025年時点で約44.9億米ドルに達し、2035年には約99.7億米ドルまで年平均成長率8.3%で拡大すると予測されている。主な成長要因として、新技術の導入、政府の開発・接種支援、医療インフラの整備、そして高齢化に伴う予防医療需要の増加が挙げられる。
市場では特にmRNA系・sa-mRNA技術への関心が高く、自己増幅型mRNA(sa-mRNA)ワクチンの日本導入例としてARCT-154/Kostaiveが挙げられ、製造拡張性と変異株対応力が注目点となっている。2024年9月にはCSLとArcturus Therapeuticsのsa-mRNAワクチンがJN.1系統対応目的で承認されたとされる。
ワクチン供給能力の拡大も重要課題であり、TakedaとBiological E. Limitedはデング熱ワクチンQdengaの生産能力を2024年2月に拡大し、2030年までに年間1億回分の供給を目指す計画を示した。WHOは2024年5月にQdengaを承認したとされ、国際的承認が日本企業の事業展開にも影響を及ぼす可能性がある。
高齢化が進む日本では成人・高齢者向けワクチンの重要性が高まっており、インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹・RSVなどのワクチン領域が市場拡大の焦点となる。RSVワクチンではGSKのArexvyが日本で承認済みで、高齢者領域の成長が市場の大きな要因になるとみられる。
全体として、日本のワクチン市場は従来の小児定期接種だけでなく、生涯を通じた予防医療市場へと移行する構造へと転換する可能性がある。今後はmRNA・sa-mRNA、デング熱、コンビネーションワクチン、政府支援、供給体制の強化といったテーマが主要になっていく。