シンガポール拠点のコンサルタントが、ベトナム・シンガポールで40件超の案件に携わった経験を基に、中堅企業でも海外M&Aに挑戦できる現実と、現地支援の力の重要さを解説しています。
海外M&Aは大企業だけのものだという先入観がある一方で、実際には中堅企業にも海外拡大の道が開けると著者は指摘します。シンガポール現地法人での経験を持つ黒沢健吾は、これまでにベトナム・シンガポールの両地域で40件を超える案件に携わってきたと説明します。
海外M&Aの本質は国を超えて変わらないという見方を示しつつ、現地の実務を理解する人材が伴走することが成功の分かれ目になると述べます。言語や制度の違いを埋める実務の厚みが重要で、黒沢は現地の法律・会計・税務・商習慣を学び直し、案件成約へ導くまでに1年半を要したといいます。
買収・提携を進める際に買い手が最も知りたいのは相手オーナーの本音であり、現地に入り込んだ人材が相手の本音や現場の実態を読み解くことで、表向きの情報だけで意思決定を迫られずに済むと説明されます。実際の案件では信頼関係を築くことで譲渡への本心を引き出すことが交渉力につながり、想定外の減少にも寄与すると伝えられます。
海外データと支援体制の重要性も強調されており、日本M&AセンターはASEAN各国に現地法人を持ち、海外事業開始10周年を迎える2026年を節目として現地実務に精通した人材とネットワークを活用していると紹介されます。併せて、海外・クロスボーダーM&Aデータブックのデータと実例が資料として提供されており、判断材料の蓄積を始める手段として案内されています。