中国の自立自強政策を背景に、国家基金と地方政府の支援を通じ半導体へ巨額投資が進む。量産・標準化領域の国産化が急速に進む一方、EUVなどコア領域の優位性は長期にわたり維持される見通しが示されている。
ここ数年、中国は国家レベルの半導体基金と地方の優遇措置を組み合わせ、ファブ建設や装置導入、材料・装置メーカー支援へ資金を集中的に投入してきた。第1期から第3期までを合わせた総額は約6,868億元にのぼり、第3期は規模が大きい。資金は設備・材料の国産化とボトルネック領域の投資に配分され、量的拡大と長期的な人材確保・サプライチェーン強化を促す構図となっている。
新設ファブを中心に国産装置の採用比率が高まり、エッチング・成膜・CMP・薄化といった工程で現地調達が進んでいる。一方、日本の主要ファウンドリ裝置市場は依然大きいが、中国の設備支出は2024年ピークの約500億ドルから2025年には約380億ドルへ減速見込み。EUV関連分野は日欧米勢の優位が続くとされている。
分野別の国産化進展は量産性・コスト重視領域と標準化可能な部材・部品で最も進み、2021年時点の国産化率は低いが2025年には上昇、2030年には約39%に達すると予測される。露光装置のコア技術や高精度部材は難易度が高く、国産化は長期的な課題として残る見通し。
日系素材・装置メーカーに対しては、短期は顧客協働と供給の多様化、中期は差別化投資・ソリューション提供、長期は基礎研究と国際共同研究で技術優位を維持する三層戦略が有効とされる。コア領域の競争力維持には、信頼性と長期的な顧客関係の強化が鍵になると整理される。