インドネシア高速鉄道の建設費が膨張し国家予算の追加投入を迫られた一方、台湾高速鉄道は日本の新幹線技術を核に安定運用へと転じた。両者の違いは費用の膨張と財務負担の違いに顕著に表れている。
インドネシアの鉄道プロジェクトは、用地買収や地質トラブル、新型コロナの影響などが重なり、当初見込みの約60億ドルを大きく上回る72.7億ドルに膨張した。超過分を埋めるため政府は国家予算を追加投入し、初期融資の金利は2%だったが超過分には3.4%が適用され、年間の支払利息は約1億2100万ドルとなって重い負担となった。需要予測も外れ、1日あたりの乗客は5万人の見込みに対し実績は約1万8000人程度にとどまった。
PSBIはWhoosh事業に60%出資しており、2024年には4兆1900億ルピアの損失を計上、2025年上半期にも1兆6200億ルピアの損失を計上した。PSBIの最大株主であるKAIが負担した損失は2024年に2兆2300億ルピアに達し、建設を担ったWIKAは株式取引停止処分を受けている。さらに汚職撲滛委員会の調査やダナンタラ・ファンドを軸とする債務再編交渉が進められた。
台湾高速鉄道については、日本の新幹線技術が選択された背景には1999年の集集大地震が大きく影響し、地震・台風に強い技術が評価された。車両は700系をベースとする700T型だが、土木・設備は欧州規格を混在させたハイブリッド構成で、BOT方式の民間主導で運営された。開業後の実績は予測を下回り、長期的な減価償却費が重くのしかかり、負債は4570億台湾ドル、純資産はマイナスへと転落した時期もあった。