日立製作所をはじめとする日本の大企業で外国人投資家の保有比率が高まっているとの指摘があり、日経平均が10万円程度に達しても日本人の富の分配構造には変化が生じにくいとの見方が示された。日立の株式時価総額は2026年4月末時点で20兆円を超えた。
海外の投資家による日本株の買いが株価の上昇を牽引している一方、日本人の富の恩恵が十分に広がっていないとの危機感が指摘されている。著者は外国人投資家の旺盛な買いが株価の上昇要因となる一方、長期的には国内投資家の利益分配や企業の意思決定へ影響が及ぶ可能性を挙げている。
日立製作所の外国人投資家比率は2005年3月期末36.4%から、2025年3月期末には51.4%へと半数超えとなった。これにより事業が生み出す価値の半分が外国人投資家の所有となっているという。
株式を通じた価値の移動は、配当還元策や人事、企業買収といった経営判断にも影響を及ぼす可能性があるとされ、非財務資産の国外移動リスクも指摘されている。
本文は外部の書籍の一部を再編集したもので、日立の事例を中心に日本株市場の現状と今後の課題を問う内容となっている。