マイクロンは「米国メーカー」ではないとの主張が示される中、同社の製造拠点は長年アジアに偏り、米国内の工場は少量にとどまる。CHIPS法後は米国内でのゼロからの建設を進める方針へ転じ、HBMなどの技術依存と長期の投資リスクが焦点となっている。
マイクロンは長年、市場で米国の製造企業として認識されてきたが、実際には製造拠点の大半が台湾、日本、シンガポールなどアジアに集中しており、米国内のボイシやバージニアの工場は生産量のごく一部を占めるにすぎなかった。エンジニアリングの中核もアイダホではなく台中と広島にあったとの議論が、番組のホストによって提示されている。これにより米国の技術的優位性は相対的に低いとの見方が示唆される。
一方で、過去25年間の買収戦略は、1990年代後半にTIのメモリー事業を吸収するなどの形で“生き残る”手段として機能してきた。ハイニックス買収の試みは失敗に終わり、政治的・経済的な障壁も大きかった。これにより、安価な既存工場を買収する戦略が長期的には限界に達しているとの指摘が浮上した。マイクロンは新たな成長を求め、米国内にゼロから工場を建設する方向へ転じる決断を迫られることになる。
HBMを柱とした現在の業績は堅調だ。データセンターとクラウド向け売上が大きく伸び、HBM売上は百億ドル規模、HBM4の出荷は米国内拠点が担う。だがHBMを長期的な解決策と見なす向きはなく、将来のアーキテクチャ革新がHBMを無力化する可能性があるとの懸念が示されている。これがニューヨークを中心とした新工場建設計画の経済性に影を落としている。
米国での新たな工場建設は、ニューヨーク、バージニア、アイダホなど複数拠点を対象としており、海外エコシステムからの距離が問題になる可能性がある。過去のアジア中心の体制とは異なり、米国内の高コスト体制と資材・労働市場の特性が投資性を大きく左右する。関係者は次の不況時期に向け、ゼロからの生産体制がどの程度競争力を維持できるかを見極めたいとする。2035年に結論が出るとの見通しが示されている。