シリコンバレー拠点「Yamaha Music Innovations(YMI)」を2024年4月に設置したヤマハは、1年半で協業を10件超に拡大し、2025年に法人化と自社ファンド設立を進めている。一方、日本企業のCVCが現地エコシステムへ入り込む難しさや撤退・縮小事例が多いとの指摘もある。
シリコンバレーには多くの日本企業CVCが進出しているが、従来の手法では十分な成果を上げられないケースが目立つ。ヤマハは音楽領域を中心にオープンイノベーションを加速するべく、2024年4月に現地拠点Yamaha Music Innovations(YMI)を設立した。
YMIのCEOを務める筆者は、スタートアップとの協業・投資・M&Aを推進し、短期間でAIカメラやアフリカ市場進出、特許分析の効率化など複数の成果を挙げたと述べる。2025年1月には駐在員事務所を法人化、同年5月から自社ファンドとして投資活動を本格化している。
同時に著者は、シリコンバレーの日本企業CVC全体について、情報収集にとどまる例や決断の遅さで前に進まない例があり、撤退や規模縮小に追い込まれた企業が少なくないと指摘する。現地のエコシステムへ入り込む難易度の高さが課題として浮かぶ。
筆者の肌感覚として、シリコンバレーに進出した日本企業CVCの数十社のうち、撤退・縮小に追い込まれたケースは30社を超えると見ており、改善には現地の信頼ネットワークの構築が不可欠であると示唆する。