栗田工業の前田雄史氏がLeadership Live Japanに登場し、設計思想のデジタルへの展開と生産バリューチェーン改革の経緯を語った。デジタルは手段であり、企業の仕組みを設計することが核心との論点が示された。
1997年に栗田工業へ入り、長年プラントエンジニアとして設計を担ってきた前田雄史氏は、異動や新しい部門設立を経験しながら「設計のやり方そのものを設計していた」と振り返る。デジタル領域へ異動し、CDO的役割も担い、DXはITの話だけでなく設計の延長線上にあると位置づけている。
2023年に立ち上げた生産バリューチェーンプロジェクトは、設計の自動化やエンジニアリングチェーンとサプライチェーンの連携、前倒しのフロントローディングを通じて、設計・製造・施工を一連の流れとして再構築することを目標に進行。組織改革としての正式な評価・報酬体系の導入も進められた。
プロジェクトをPoC止まりに終わらせないため、現場の課題をイシュー起点で再設計し、150人規模のチームにPoC機能を分離して検証とフィードバックを高速回転させる手法を取り、成果を全社展開につなげた。これにより全社的な構造改革へと発展した。
今後はAIとデータ活用で意思決定の質とスピードを高め、水処理企業としての「水の総合インフォマティクス企業」へ進化させることを目指す。経営と現場を結ぶ橋渡し役として、構想と実装をつなぐリーダー像を強調している。