日米の協調介入にもかかわらず円安基調が続き、7月下旬の介入後も半分以上の上昇分が戻るなど、円安をめぐる要因は多岐にわたっている。米欧金利差の拡大と日本の財政・金融環境が重荷となっている。
政府・日銀は5月27日までの1カ月間に過去最大級となる11兆7349億円の円買い介入を実施したにもかかわらず、円安基調を止められず、7月23日には対ドルで約40年ぶりの安値となる水準に達した。以降、日米財務相は31日に協調介入を行ったと公表し、追加介入も辞さない姿勢を示した。一方、日本は30日に単独介入として過去最大級と推定される8兆4500億円を費やし、31日に約5兆3300億円を投じたとみられる。
介入の効果は限定的で、円安は金利格差や中長期的な財政・地政学リスクの影響を受けて続いている。高いエネルギー輸入依存度や財政赤字、米利下げ観測の後退などが重なり、ドル建て資産の魅力が相対的に高まる局面が続く。市場では短期的な動きは大きく動くものの、根本的なファンダメンタルズの改善が伴わない限り、介入だけで長期的な転換は難しいとの見方がある。
円安の背景には超低金利と日米金利差の拡大、国内財政の信認低下、エネルギー資源の輸入コスト増などが挙げられる。日銀は6月会合で政策金利を1.0%程度に引き上げたが、世界的には依然低い水準であり、金利差は拡大傾向にある。中東情勢の長期化も円安圧力の一因となっている。
円安を止める手段としては為替介入以外にも、金融引き締めを通じた金利差縮小や国内投資の拡大を通じた日本資産の魅力向上が挙げられる。政府・財務省はFIMA手当の活用検討を示唆しており、現金化を避けつつドル資金を確保する道を探る。介入の効果は短期的であり、長期的にはファンダメンタルの改善が必要との見方が広がっている。