老化研究の資金循環は薬品中心からAI創薬・製造インフラ・M&Aを軸にした“仕組み”投資へ移行している。日本の出口戦略はグローバル資金と規制対応を前提に再設計されつつある。
AI創薬を軸に資金が動くケースが拡大しており、Insilico Medicineは2025年末に香港上場で資金を調達し、臨床前候補の開発期間を短縮するビジネスモデルを前面に出している。米イーライリリーや武田薬品工業との提携は、薬ではなく“工程”自体を貸し出す形で、早期に大手へ接続する流れを示している。
製造インフラへの投資も活発化している。細胞医薬の自動化工場網を手掛けるCellaresが大規模資金を集め、量産体制の自動化によって品質安定とコスト低減を狙う。米国の新法・規制動向と合わせ、B2Bのインフラ投資としての側面が強まっている。
老化を直接的な薬として扱う動きはまだ限定的だが、既存疾患を入口にした買収(M&A)やライセンスインを通じた出口戦略が主流になりつつある。ロシュによる89bio買収やAkero Therapeuticsの買収など、規制リスクをCVRで分け合う取引形態が増加している。
日本市場の課題として、上場規模と資金調達力の乏しさが指摘されている一方、グロース市場の新規基準やAMEDのエコシステム構築支援などが動き出している。設立時から海外資金と規制を織り込み、出口戦略を描く企業が求められている。