書籍『カスタマーセントリシティ』の内容と、フェーダー教授の見解を軸に、顧客生涯価値(CLV)を起点とした顧客中心主義の実践と日本企業の課題を論じた記事である。
世界的権威のピーター・フェーダー教授が著者として紹介され、従来の製品中心主義と異なる顧客一人ひとりの違いを起点にCLVに基づき「正しい顧客」に集中することを顧客中心主義と定義している点が説明されている。
本書は顧客サービスと顧客中心主義を混同する企業を指摘し、時代とともに製品中心主義が機能しなくなるとの認識を共有。企業は自ら製品中心か顧客中心かを選択し、長期的な投資と内部変革を進めるべきだと主張している。
日本企業における顧客中心主義の普及状況や導入の難しさが取り上げられ、準備と長期的な組織の変革、測定方法の見直しが不可欠とされる。顧客の多様性を認識し、全員が同じ方針を追う必要性と、個別部門の視点の違いを許容する文化の重要性が述べられる。
顧客エクイティを超えるCBCVという概念へと拡張する考え方が示され、財務・資本構成の視点を取り入れるべきとの提案が強調される。過度なCRM・DX投資への懸念と、AI依存のリスク、費用対効果の慎重な測定が日本企業には特に重要だと指摘される。
ロサンゼルス・ドジャースやフィリーズの例を通じ、ファンや来場者といった顧客への投資の重要性が論じられる。顧客データと分析が組織を変革し得る一方、カルチャーを最初に築くべきとの結論へと結びつく。