Micronは台湾・桃園で建設中のHBM工場Fab 11Eの建設を事実上全面中断した。労働組合との利益配分交渉が決裂し、30億〜45億ドル規模の投資計画に影響が生じる状況だ。
米国の半導体大手Micron Technologyが、台湾・桃園で進めていた新規メモリ工場の建設をほぼ停止したと伝えられている。現場では安全確保のため最小限の作業のみが行われ、今後は凍結状態が続く見込みとなっている。
この工場Fab 11EはASMLの最先端露光装置を導入し、HBMと先端DRAMの生産を計画しており、2028年からNvidiaなどへ供給する予定だった。投資規模は約30億〜45億ドルとされ、AI関連需要の拡大に対応する重要拠点として位置づけられていた。
労働組合側は営業利益の15%を全世界の従業員に現金で配分することなどを求めており、暫定合意案を受け入れず再交渉を求めている。組合はストライキ権を確保した経緯があり、桃園地域の対立が長期化する可能性がある。
台湾政府は事態の解決に乗り出し、労使の交渉を仲介する方針を示した。台灣経済部は政府が法的合意を支援すると説明しており、紛争解決へ向けた対話を継続する考えを示している。
市場・供給面では、現行の生産ラインは正常稼働中とされ、長期化しても直ちに供給が崩れるとは見にくいとの見方がある。一方でMicronの台湾依存度と人件費負担の在り方が今後の戦略に影響を与える可能性が指摘されている。