丸紅の新社長に大本晶之氏が就任し、14人抜きの異例人事で指揮を執ることになった。一方、住友商事はニッケル事業アンバトビーの撤退を決定し、売却完了を26年9月末までに見込むと公表した。
総合商社の丸紅で、昨年副社長や専務を「14人抜き」で抜擢した大本晶之氏が社長に就任し、投資規律の徹底や勝ち筋仮説の検証を社長直下で進める体制を整えた。現役社員は、大本氏が挨拶で示す意図を明確に伝え、戦略プラットフォーム型事業を推進する姿勢を評価している。
丸紅は中期経営戦略GC2027の進捗を前倒しで達成し、世界100位圏の企業価値を視野に入れた成長戦略へ舵を切っている。ハーバード・ビジネス・スクールでの学びを背景に世界標準を意識した経営を志向する大本氏の下、社内のKPI浸透と経営目標の共有が進んでいるとの指摘がある。
一方、住友商事はアンバトビーのニッケル事業からの撤退を正式に決定し、2000年代の大規模損失処理を経て売却を含む選択肢を検討する方針を示した。売却完了は26年9月末を見込み、買い手には同事業の運営実績を有する投資コンソーシアムが適任とされている。
治良博史氏は、撤退判断が短期志向の影響とみられる点を指摘しつつも、住友グループの「事業百年の計」精神を強調する。長期的な需要を見据えた資源分野への投資姿勢は、今後の5大商社の勢力図にも影響を与える可能性がある。