積水化学工業とPHCホールディングス傘下のPHCが、MSCの大量培養プロセス構築で良好な成果を公表した。自動培養装置とマイクロキャリアの組み合わせで培地量1リットル規模へのスケールアップに成功している。
積水化学工業とPHCホールディングス傘下のPHCは2026年10月6日、間葉系間質細胞MSCの大量培養プロセス構築を目的とした共同実証で良好な成果を得たと発表した。再生医療の普及には安定的な細胞供給が欠かせず、両社は材料技術と自動制御技術を融合した新製造手法の有効性を確認した。2026年は再生医療製品の承認が相次ぎ、製造コスト低減が求められる年となっている。
実証ではPHCが2026年3月に発売した自動培養装置「LiCellGrow」と積水化学のマイクロキャリア「Ceglu」を組み合わせ、培地中のグルコースや乳酸濃度をリアルタイム監視し、培地交換を自動で行うことで最適環境を維持する。マイクロキャリアは撹拌によるせん断応力を抑え、穏やかな液体流動でMSCを増殖させる設計になっている。
実証結果として、小規模で得られていた高い増殖率と品質を維持しつつ、培地量1リットル規模へのスケールアップに成功した。自動制御による安定的な製造プロセス構築に道筋をつけ、実現性が高いとされる。
今後は得られた知見を基に大量培養プロセスの実用化を進める。PHCはCAR-T細胞療法など高度な細胞・遺伝子治療の商用製造連携を拡充する方針を示し、積水化学はマイクロキャリアを他の培養装置へ適用してグローバル展開を推進する。詳細は2027年3月の学会本会場で発表予定で、BioJapan 2026でも技術が紹介される予定である。