第一生命グループが豪年金大手Challengerの全株式買収を提案。提案額は約44億ドルで、Challengerの退職後収入事業を完全子会社化する狙いが背景にある。
第一生命グループは、豪州の友好的買収としてTAL Daiichi Life Australiaを通じ、Challengerの全株式を取得するスキーム・オブ・アレンジメントを提案した。買収価格は1株11.80豪ドルで、Challengerの直近の出来高加重平均株価を17.7%上回る水準となっている。提案に基づく企業価値は約79億4,000万豪ドル(約55億3,000万ドル)に達する。Bloombergの試算では第一生命が未取得の79.5%を取得するには約44億ドルが必要とされる。
今回の提案では、第一生命がChallengerの退職後の所得事業を更に拡大する意図が示されており、Challengerの取締役会は検討を進めている。Challengerは退職後の貯蓄を毎月の収入に変える商品を提供しており、同社のFidante事業をChannel Capitalへ統合する計画も進行中だ。
第一生命はすでに豪州でTALを通じて保有を深めており、Challengerを加えることでオーストラリアの退職後の資金需要を大規模に取り込む狙いがある。日本国内での長寿化・低金利環境を背景に、海外での成長を狙う戦略の一環として位置づけられている。
今後はデューデリジェンスの完了、規制当局の承認、Challenger取締役会の賛同を経て、スキーム実施契約の締結と株主投票、裁判所の承認が必要になる。昨年の小規模な出資時と同様、オーストラリア外国投資審査委員会とAPRAの承認も要件となる見込みだ。