アサヒグループホールディングスに対するランサムウェア被害が約400億円の経済ダメージとして発生し、情報漏洩は約11万5千件に及んだ。現場の対策とガバナンスの弱点が浮き彫りとなり、日本企業全体のセキュリティ強化が改めて問われている。
2025年9月29日、チェコ・プラハで開かれたグローバル幹部会議の最中に、アサヒグループホールディングス(GHD)の勝木敦志社長のもとにランサムウェアに関するメールが届いた。国内ではネットワークを緊急遮断し、物流網を含む重要システムを封じ込める対応が取られた。
現場は生成AIを活用した出荷対応を進める一方、完全なシステム復旧には約5カ月を要し、最終的な経済的ダメージは約400億円に達した。約11万5000件の個人情報が漏洩したことも併せて報じられている。
アサヒ以外にも物流関連企業などでランサムウェア被害が相次ぎ、アスクルやニチレイの他、外部からの不正アクセスによる情報漏洩が明らかになっている。JR東日本や佐川急便、日本経済新聞社、大和証券なども直近で被害を公表している。
勝木社長は「現場の努力は機能したが、対策の成熟度に死角があった」と語る。この記事は不正アクセスの実態と、日本企業全体のガバナンスの課題を示すものである。