世界の主要中央銀行が利上げを進める中、ベトナムは成長支援・インフレ抑制・為替安定・流動性維持・金融システム安定のバランスを探る状況が続く。
金融政策の運用は、成長を支援しつつインフレを抑制し、為替レートの安定と市場の流動性確保、金融システムの安全性を維持するという複数の目的の間でバランスを取ることが求められる。世界的には長期の緩和からの転換が進み、主要中央銀行の姿勢は慎重さを増している。
欧州中央銀行は9月10日に主要3政策金利を25ベーシスポイント引き上げた。中東情勢の混乱が物価上昇を抑えられず、インフレ率は長期にわたり目標を上回るとの認識を示し、2026年の欧州全体の平均インフレ率は3%と予測された。
米連邦準備制度理事会は9月16日にフェデラルファンド金利を0.25%ポイント引き上げ、目標レンジを3.75%~4.00%とした。FRBはインフレ率が高止まりするとみており、2%へ戻すことを目的とした措置という見方が示された。
日本銀行は9月18日に政策金利を約1.25%へ引き上げ、无担保翌日物金利をこの水準で維持する方針を示した。これにより主要先進国の金融政策の方向性が一致する動きとなっている。
ベトナムのインフレ動向は August 2026でCPIが前年同月比4.89%、月次でも0.47%上昇しており、8か月平均のCPIは4.45%、コアインフレは4.24%上昇。海外直接投資の流入は前年同月比で12%増、製造業PMIは53.3ポイントに達している。
専門家はFRBの利上げが市場予想内であったことを指摘しつつ、今後の金利高止まりがベトナムに与える影響は限定的との見方を示している。財政政策の役割を強め、公共投資の加速や資本市場の発展を通じて成長を支えるべきだという声がある。