石炭事業を終えた三井松島ホールディングスは、M&Aと資本配分を成長の軸に据え、非石炭分野の企業を組み入れて事業構造を再編している。今後は日本のニッチなものづくり企業を束ねる産業持株会社へ近づくのかが焦点となる。
三井松島ホールディングスは1913年の創業以来、長年の石炭生産・販売から撤退し、現在の収益基盤をストロー、シュレッダー、半導体関連設備、送電線用金具、産業用チェーンなどの非石炭分野へと転換している。14年の日本ストロー買収以降、非石炭分野のM&Aを本格化させ、18年に持株会社体制へ移行、24年3月期をもって石炭事業を終了した。今期以降は売上高600億円台・純利益60億円超の規模を維持している。
現在の事業構造は、生活消費財・産業用製品・金融その他の3分野に分かれ、買収先企業はストロー、シュレッダー、ペットフード、住宅部材、水晶デバイス製造設備、送電線用金具、感熱レジロール、計量機、産業用チェーンと多岐にわたり、業態間の共通性は薄いことが特徴だ。これらは祖業の技術連続性を前提としない異業種の組み合わせで、安定的な利益を生み出している。
26年3月期の財務では、総資産は増加する一方で純資産が減少し、現金・預金は大幅に減少、投資有価証券が増加している。短期・長期借入金の合計は大幅に増え、自己資本比率は63.6%から43.5%へ低下している。のれんも減損処理を実施するなど、買収後の価値向上と財務構造の再編が進んだことがうかがえる。
M&Aを進めた同社は、長期的な持株会社としての性格を強めつつ、経営は基本的に個別会社に任せ、会計・法務・設備投資などを本社が支援するモデルを採用している。投資機会は上場株式投資の活用も含めて多角化され、資本配分を本社の中核機能として位置づけている。中期計画2030では、100億円超の純利益を目標に掲げ、ロールアップM&Aやニッチトップ企業の獲得を進める方針を示している。