サイバー攻撃による物流障害の事例が相次ぎ、原材料価格上昇を招く地政学リスクの影響も指摘されている。企業はサプライチェーン全体の可視化と対策強化が求められるとされます。
本稿はサプライチェーンリスクを2つの観点から整理し、サイバーリスクと地政学・災害リスクが企業活動へ与える影響を説明している。自社が被害を受けていなくても取引先や物流業者経由で影響する可能性がある点が強調されている。
サイバー攻撃リスクの事例として、2026年7月にニチレイグループの冷蔵倉庫の出荷業務に支障が生じ、2025年10月にはアスクルのランサムウェア攻撃が発生して出荷に影響し、2025年9月にはアサヒグループHDにも影響が出たとされる。これらの攻撃で逓増する費用負担も指摘されている。
地政学リスクの観点では、ホルムズ海峡を巡る情勢が原油・LNG・ナフサといった資源価格や輸送コストの上昇要因になるとされ、自然災害や通商政策の変動も影響要因として挙げられている。
サプライチェーンリスク管理のポイントとして、可視化(原材料供給先から物流事業者までの把握)、取引先リスク評価(情報セキュリティやBCP、災害対策、地域リスクの検討)、および単一依存の排除とBCPの強化が挙げられている。
備えの具体として、取引先を含むサプライチェーン全体のリスク可視化と代替ルートの確保、サイバーBCPの整備、訓練や対応計画の整備が提案されており、コラム執筆企業の支援内容も紹介されている。