新田ゼラチンと日本大学の共同研究で、コラーゲンマイクロファイバーを基材とする人工靱帯を用いた犬の前十字靭帯再建の生体力学的評価結果がWVOCで発表されました。
本研究は、犬の CrCL 断裂モデルに対し、コラーゲンマイクロファイバー(CMF)を用いた解剖学的再建術を評価するもので、CMFは延伸紡糸法によって作製された。ワンヘルスの観点で、人と動物の医療技術開発を相互連携させ、前臨床段階での機能検証を進めることを目的としています。
実験では、直径約25µmのCMFを紙管に巻き取り、化学処理と撚り合わせで人工靱帯を作製。供試標本は新たな動物実験を伴わず、既存のイヌ膝関節組織6標本を再活用して評価を実施しました。群分けは対照群(無処置正常膝)、完全断裂群、一重束再建群、二重束再建群の計4群としました。
力学評価は靱帯張力、脛骨前方変位、内旋時変位の3指標で実施。140°と80°の膝関節角度で、それぞれの群の安定性と張力特性を比較しました。特に、一重束再建群は正常膝と同等の張力を維持し、脛骨の前方変位と内旋時変位を抑制する結果が得られました。二重束再建群では張力の上昇が認められ、前方変位・内旋時変位の抑制効果は対照と同等の水準でした。
結論として、CMF製人工靱帯を用いた解剖学的再建は、犬の CrCL 断裂に対して有望な治療アプローチとなり得ると示唆され、初期安定性の確保と長期的な靭帯化の達成が今後の課題として挙げられています。