AIデータセンターへの投資拡大で先端基板FC-BGAの需給が逼迫している。大手企業は供給網の安定化を図るため、生産能力の拡大と資金提供を通じて長期供給を確保する動きを活発化させている。
人工知能(AI)ブームが半導体から基板へ波及し、AIデータセンター向けの高性能基板であるFC-BGAの需要が急増している。従来の基板と比べて多層化と微細配線が求められ、供給を短期間で増やすことは難しくなっている。
エヌビディアは現地時間21日、今後3年間で自社製品に使われる基板の生産能力を2.5倍に増やすと発表。これに合わせ、サムスン電機はエヌビディアとテスラを主要顧客とする一方、イビデンには数十億ドル規模の前払い金を提供して生産施設の増設を支援する。このほか台湾のユニマイクロンとも契約を結んだ。
サムスン電機は世宗特別自治市と釜山の事業所でAI基板の生産能力を拡大し、テスラへも専用生産ラインを構築する計画を進める。テスラが資金の一部を負担し、2029年から2033年までの5年間にわたる供給量を確保する仕組みだ。
AI基板市場は日本のイビデンが存在感を強めており、同市場のシェアを70〜80%と推定されていると業界はみなす。一方、サムスン電機はFC-BGAだけでなくMLCCやシリコンコンデンサといった周辺部品も一括供給する体制を強化している。