金価格は高値圏を維持する中、ヘッジファンドの建玉は減少傾向にある。一方、金鉱株はキャッシュフローの改善が進み、配当性向は控えめながら内部留保が多い。現物の金を保有する投資家は慎重姿勢を崩していない。
本稿は金価格が40%近く上昇する局面でも、先物市場の取引残高は減少しており、マネージドマネーの参加が限定的であると指摘する。現物市場のETF保有量はその間も大きくは減っていない。これらの動きを踏まえ、金価格と金鉱株の関係性が分解して見える点を整理している。
大手金鉱会社の事例として、1トロイオンスあたりの販売価格は2022年以降に大きく上昇した一方で、総維持コストの上昇はそれほど大きくなく、結果として利幅が大幅に拡大していると説明される。これにより、金鉱株のキャッシュフローが四半期ベースで大きく改善したことが示される。
Arca金鉱株指数を構成する企業の一株当たりフリーキャッシュフローは、2024年前半から2026年中期にかけて顕著に増加しており、株価に対する利回りも上昇している。配当性向は約27%とされ、配当額は増加しているものの、資金の大半は内部留保に回っているという分析が示される。
2011年の教訓と比較して、現在の金鉱企業はより慎重な資本配分を行っているとされる。過去にはキャッシュを過剰に投資する例があったが、現状では財務健全性を保つ方針が強まっているとの見方が示される。