茨城大学の卒業生で森永乳業フェローの阿部文明氏が、令和8年春の紫綬褒章受章を記念して農学部で講演しました。ビフィズス菌の生菌末製造技術や濃縮菌体の開発など、世界へ貢献した経緯が学生らに語られました。
茨城大学大学院農学研究科の修了生である阿部文明氏は、森永乳業のフェローを務める人物として、紫綬褒章を受章したことを受けて農学部の講演会を開催しました。講演は農学部の学園祭「鍬耕祭」が催されていた10月24日に企画され、同窓会主催の凱旋講演として学生に向けて行われました。阿部氏は自身の研究者としての歩みと、「覚悟を持って挑戦すること」の意義を語りました。
阿部氏は1987年に茨城大学大学院農学研究科修士課程を修了後、森永乳業に入社。ビフィズス菌の生菌粉末製造技術を中心とした研究開発に従事し、2009年に農学博士号を取得しました。現在はR&Dフェローとして活躍し、紫綬褒章は科学技術分野での顕著な業績を評価する栄典として授与されました。
阿部氏はビフィズス菌の生菌末の製造技術を開発し、粉ミルク等への応用で乳幼児の健康増進に寄与。凍結・乾燥耐性の高い製法を確立し、常温保存を可能にする技術や、凍結下での高活性維持を狙った濃縮菌体の開発も進め、製品化と普及につなげました。
世界を意識した活動として、1995年のニュージーランドでの国際学会経験を転機に、事業を世界規模で展開する方針を掲げ、1997年以降は海外展示会や企業訪問を積極化。HALAL認証の取得や測定法に関する国際ルールづくりにも関与し、日本発の製品・技術を国際市場へ普及させる取り組みを推進しました。