ホルムズ危機を背景に三井海洋開発がFPSOで世界2強の地位を確保。長期の受注残は約4兆円に達し、日本の造船復興にも影響を及ぼす可能性を解説する。
ホルムズ危機が原油輸送の大動脈を揺らす中、深海油田の開発が加速しており、南米西岸や西アフリカの海域でFPSOと呼ばれる浮体式生産施設の需要が拡大している。技術進歩と大型油田の発見により、プレソルト油田の探鉱・掘削コストは低下傾向で、1本の井戸からの生産量が大きく増えるケースも出ている。
三井海洋開発とSBMオフショアは世界のFPSO市場で2強の地位を築き、完工実績は35隻、現在建造中4隻、操業中は18隻に上る。顧客と建造元は主に海外で、同社は中国の造船所を活用する一方で、長期運用を前提とした一体設計と短納期達成の実績が強みとなっている。
今後は国内造船との連携を強化する「分割建造」などの取り組みが進む見込みで、南米・西アフリカの深海開発拡大が日本の造船産業の復興にも寄与する可能性が指摘されている。
2030〜40年を見据えた市場の持続的成長や新規参入の壁として、FPSOの技術・運用ノウハウが蓄積された現状は、日本の造船業にとって新たな需要源となり得ると評価されている。