大林組はほたて貝殻の粉末を利用した水性ふっ素樹脂塗料「スキャロップペイント」を開発し、技術研究所の実験棟を含む現場3カ所で適用を開始した。廃棄物削減とCO2排出量の削減を狙い、塗料原料にバイオマスフィラーを用いる。
大林組は、ほたて貝殻を粉砕して作ったバイオマスフィラーを配合した外装用水性ふっ素樹脂塗料「スキャロップペイント」を開発した。これにより、廃棄予定の貝殻を有効利用するとともに、環境配慮型仕上げ材のラインアップ拡大を目指す。現場適用は、同社技術研究所のオープンラボ3をはじめ計3カ所で実施された。
#### スキャロップペイントの特長 廃棄予定のほたて貝殻を塗料原料として再利用することで、炭酸カルシウムの代替となるバイオマスフィラーを提供する。従来の塗料で用いられる石灰石由来の炭酸カルシウムに比べ、海洋副産物の貝殻を活用する点が特徴となる。
塗料製造時のCO2排出量は、石灰石由来の従来品が0.0879kg-CO2/kgであるのに対し、ほたて貝殻は-0.44kg-CO2/kgとされ、スキャロップペイントは貝殻粉を20%配合することで排出量の削減を見込む。さらに、貝殻に固定された炭素を塗膜に取り込み、長期間建物の一部として保持する予定。
#### 耐候性と適用実績の検証 実環境約30年相当の条件を想定した促進耐候性試験(約5,500時間)で、スキャロップペイントは貝殻粉なしの従来品と同等の光沢保持率と色差ΔEを示した。適用実績として、オープンラボ3(内装)、横浜シンフォステージの3Dプリンター製ベンチ、新丸山ダムの3Dプリンター製擁壁などがある。
今後は製品化を進めつつ適用範囲を拡大し、カーボンニュートラルの実現とサーキュラーエコノミーの推進に寄与する方針。