公正取引委員会がアサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、サッポロビールを含む国内ビール大手4社の本社などに対し、独占禁止法違反の疑いで一斉立ち入り・強制調査に着手した。
公取委は、ビールの業務用卸売に向けた出荷価格を巡る価格カルテルの疑いを捜査している。関係者によると、業界団体「ビール酒造組合」の定例会合に合わせ、本社の営業担当者らが非公式に接触を重ね、過去の値上げ時期や幅を事前に足並みを揃えていた可能性がある。
市場規模は年間1兆円を超え、国内ビール市場は四社でほぼ独占されており、カルテルが認定されれば社会的影響は大きいとみられる。カルテルが成立すれば価格が固定され、消費者の不利益や企業の技術開発低下、卸売・飲食店への影響が懸念される。
公取委は今回、犯則調査として強制的な捜索・押収を実施しており、社内データの復元・解析を進め組織的関与の有無を解明する方針だ。データにはデジタル証拠が含まれ、どの階層がどの数値を合意したかが焦点となる。今後は課徴金減免制度の適用可能性も検討される見通し。