シノプスが発注確認0分を実現する自動納品の実証実験を、ぎゅーとらの一部店舗を対象に開始した。AIが最適な発注量と納品を自動で決定し、棚容量を考慮した納品を行うことで作業を大幅に短縮するのが狙い。
背景として、深刻化する人手不足の中で小売店のオペレーションを最小化する動きが進んでいる。シノプスは2025年末に国内の食品スーパー向け需要予測ソリューション市場で首位のシェア36.7%を持ち、コープこうべ129店舗のシステム移行を2026年6月までに完了させるなど実績を積み上げている。一方、NECや富士通も需要予測や流通DXを推進するとされ、従来の自動発注は人の介入を前提としていた点が課題とされてきた。
実証実験で検証される「自動納品」は店舗調整作業のゼロ化を目指し、AIが最適量を算出して自動納品まで完結する仕組みを採用する。届いた商品をそのまま棚へ並べて作業を完了させ、バックヤードの在庫を減らす効果も期待されている。導入企業の心理的・経済的ハードルを下げるため、実験期間中のロス増加分を全額補償する制度も設けられた。
持続可能な流通構造の構築を目指す本実証は、ぎゅーとらの一部店舗の洋日配および和日配商品を対象に実施される。期間中は発注確認時間0分の達成状況に加え、在庫圧縮・欠品率の維持・品出し工数の削減といった定量的効果が検証され、実験終了後には検証結果の公表が予定されている。小売業の人手不足が深刻化する中、AI技術を活用したサービス開発を通じた効率化とサプライチェーンの無駄削減が今後の課題解決につながると見込まれている。