福岡地裁は日本郵便の配達員の解雇を無効とし、酒気帯び運転には故意がないと判断した。判決は懲戒基準の適用や今後の対応に影響を及ぼす可能性がある。
23年2月27日夜、自宅で酎ハイなどを飲んだ後、翌28日朝に自家用車を運転中の信号待ち車へ追突する人身事故を起こし、呼気1リットル中のアルコールが0.53mg/Lと検出された。23年の事故後、24年1月に懲戒解雇となっている。
福岡地裁は判決で、同社の懲戒基準は故意による飲酒運転を対象としており、残り酒の研修などの実施状況は客観的数値で判断されていなかったと指摘した。原告の評価代理人は、飲酒運転撲滅と労働者の権利擁護の線引きに一定の方向性が示されたと述べ、日本郵便は控訴の意向を示した。
同社は昨年、配達員の点呼を適切に実施していなかった問題が判明し、国が一部車両の貨物運送事業の許可を取り消している。判決は「根絶に向けた取り組みが徹底されていたとは認め難い」とも言及した。