GMOインターネットはM&A戦略を従来の広告機能補完から、インフラと広告の統合へ転換。海外展開を強化しつつ、生成AIやGPUクラウドへの投資で既存資産を活用した成長領域の拡大を目指している。
GMOインターネットのM&Aは、前身のGMOアドパートナーズ時代の2011年にモバイル広告代理事業を取得することから始まった。以後、サーチテリアの株式取得、連結子会社化、イノベーターズの株式取得、チャイナ・コンシェルジュの子会社化などを経て、対象は広告領域の周辺機能を補完する方向に広がり、顧客接点と技術の両面を取り込む形へと進化した。背景にはデジタル化の加速があり、従来の広告代理店機能だけでは対応が難しい領域をM&Aで補ってきた。
2015年のアドクラウド買収を転機に、広告配信基盤をクラウドで提供する体制を取り込み、以降はGMOモバイル、GMOアドマーケティング、アドクラウドを統合して技術力と営業力の連携を強化した。これにより「会社を買う」「技術を取り込む」「既存事業と組み合わせる」「新商品をつくる」という統合プロセスを最大限に発揮する方針が加速した。
最大の転換点は2025年1月の再編で、広告・メディア事業をGMOアドパートナーズへ承継し、インフラ事業を直接担う体制へ移行した。これにより「インフラ+広告・メディア」へとM&A戦略が変わり、ドメインやクラウド、レンタルサーバーなどの継続利用型サービスを活用したクロスセルを進める基盤が整った。2025年には海外法人8社の株式を取得し、11社を子会社化するなど海外展開を拡大した一方、撤退を決めた事例もあり全体の成否には時間を要している。さらに2026年には完全自動運転AI開発企業チューリングへ32億円の出資とGPUクラウド4年間の長期契約を締結。出資・長期契約・技術共有といった“仲間づくり”を通じ、AI・GPU・データ/マーケティング領域の接続性を高める戦略を進めている。
今後は親子協働による事業ポートフォリオの再配置が進み、グループ内の事業がどの会社でどの領域を持つべきかを機動的に見直す方針が示されている。外部M&Aだけでなくグループ内の移管や資本提携、事業売却を組み合わせ、エコシステムを強化するM&Aへ軸足を移すとの見方がある。買収後の統合と撤退の速さが、GMOインターネットの今後の成否を左右すると指摘されている。